2025/04/11 22:34

『食べる支援』の取り組み・嚥下内視鏡検査(VE検査)を用いたアプローチ

『食べる支援』の取り組み・嚥下内視鏡検査(VE検査)を用いたアプローチ
『食べる支援』の取り組み・嚥下内視鏡検査(VE検査)を用いたアプローチ 今回のブログはいつもより少し長いのですが、当事業所の“食べる支援”の取り組みを紹介しています。支援の方法は多々あるのですが、今回は嚥下内視鏡検査(VE検査)を用いたアプローチについてお伝えしたいと思います。 当事業所は「口から食べたい想いを大事にします」との理念を掲げ、その想いに寄り添うケアを心がけています。その中で他職種の方から「寄り添うケアは素晴らしいと思います。ただ、想いを聞くだけではせっかくの医療従事者の集団なのにもったいない。危ないケアは危ない、と伝えることも大事なのではないでしょうか」と叱咤激励をいただきました。今まではターミナルの方の想いを聞いてできることはないかと探していましたが、それだけではない「口から食べることで栄養補給をされている」方への医療従事者の専門的アプローチとその取り組みを報告いたします 嚥下障害がありながらも安全に経口摂取を続けるためにOT、ST、PT、看護師のオレンジツリーチーム、他事業所になりますが歯科医師、歯科衛生士の歯科チームに加わっていただき協働で“食べる支援”のアプローチを行っていきます。 <VE検査の実施・医学的に嚥下の機能を知る> 疾患の症状から誤嚥の危険性があった場合、通常のケアに加えて医学的な嚥下評価として歯科医師に嚥下内視鏡検査(VE検査)が実施できないかを相談していきます。 VE検査とは鼻腔から細いファイバースコープをのどに挿入し、食物の飲み込みを観察する検査です。このような検査は通常は病院や診療所でおこなわれますが、当事業所が連携している歯科医院さんは自宅で検査をしていただける数少ない医院です。ある利用者さんは歯科医師2名、歯科衛生士、OT、ST、PT、看護師が見守る中、自宅で検査をしていただきました。 <VE検査の後・本人、家族の想いを聞いてケアを工夫する> VE検査の結果、誤嚥兆候があった場合に食事形態をどうするか、準備をどうするか。もしも変更しなければいけない場合にご本人、ご家族はどう思うか、受け入れてもらえるのか。VE検査後に症状を説明しながら本人、ご家族と打ち合わせをします。 “安全に口から栄養補給するための工夫をみつける”これがVE検査の本来の目的です。 <多職種での振り返り> 医療職でもなかなかVE検査に立ち会う機会は少ないです。そのため職員の知識向上のために、検査の画像を用いて振り返りの勉強会をおこないます。そして、今後のケアも含めてカンファレンスを実施ししていきます。時には他事業所の方も参加していただきアドバイスをいただくこともあります。 このように病院でしかできないと思われていた検査を他医療機関との連携で自宅で実施し、その結果を基に“食べる支援”を行っていきます。今後も多くの利用者さんの食べる支援に携わっていけるように励んでいきます