2023/05/18 12:20

オレンジツリー開設1周年によせて

訪問看護ステーションオレンジツリーを開設し、5月1日に無事に1年を迎えることができました。 看護師、療法士で始めた当事業所、1年を振り返っての感想、今後の決意を表明させていただきます。 当事業所では様々な疾患、幅広い年齢層の方に看護師、療法士が訪問しています。今も乳児から90歳代まで、また終末期のケアから高齢のご夫婦が穏やかに生活できるサポート、療法士によるリハビリテーション等をおこなっています。 その中で「食べたい」「歩きたい」「家で過ごしたい」「外出したい」など一人一人の「自分らしく生きるための目標、希望」を聞き取り、それを実現していくために当事業所以外の様々な職種の方とも検討を重ねてきました。1年で様々な活動を行ってきましたが、その様子は現在もブログにあげておりますのでぜひご覧になっていただけたらと思います。 特に終末期への対応には力を入れています。ご本人様だけでなく、ご家族様への声掛けや活動、グリーフケア(遺族に対するケア)も心がけています。 それらの活動を通してこの1年で多くの医療機関、居宅介護支援事業所、介護サービス事業所の方々と出会う機会もいただけました。まだまだこれからも利用者様がその人らしく生きていけるために、微力ながらもお手伝いさせていただけるように日々取り組んでいきたいと思っております。 今後とも末永く訪問看護ステーションオレンジツリーをよろしくお願いいたします。

2023/05/14 18:06

「おすし」

「おすし」
「おすし」 ある日の療法士の訪問。 利用者さんが箱から取り出したのはフェルトでつくったケーキ、和菓子などなど。 子供のころに流行っていたフェルト手芸にあこがれながらも断念していた療法士は、一瞬で大興奮となりました(笑)。どれもクオリティが高く、素敵な作品ばかりでした。 作成された経緯を教えていただきました。長い入院中、治療の合間にできることはないかと始められたそうです。たくさんの作品、その作品を収めた写真集をもとに楽しく語らうのも大事な時間と感じました。 写真は大作の「おすし」。そして、せーの!でお気に入りの作品を指さしています。左側は利用者さんお気に入りのショートケーキ、右側は療法士が大好きな抹茶どら焼きを指しています(笑)。

2023/04/03 11:29

「桜」

「桜」
「桜」 例年より一足早く満開を迎えた3月末。当事業所の利用者さんに桜を楽しんでもらいました。 ご自身やご家族だけでは自宅から出られない方にも桜を楽しんでもらおうと、看護師や療法士で数名の方だけですがサポートさせてもらいました。 たった15分程度でも全身状態を観察しながら慎重に花見に出かけた方もいらっしゃったのですが、なんとか無事にサポートできました。 写真の方は、ご自宅の近所の高校で花見をさせていただきました。校内の満開の桜をご家族、看護師、療法士でゆっくりと見せてもらうことができました。突然の申し出を快く聞いていただいたK高校の関係者の皆様には感謝しております。素敵な桜をありがとうございました。 ご本人、ご家族様も大変喜んでおられました! またこのようなサポートを考えていきたいと思っております。

2023/04/03 11:28

「口から食べたい」想いを支える

「口から食べたい」想いを支える
「口から食べたい」想いを支える ご利用者様Aさん。 平常では口から食べることは困難でCVポート(中心静脈栄養)での管理となっています。 病院に入院中はリハビリテーションの時にお楽しみで食べる程度。ご本人は食べたい意思が強いのですが、コロナによる面会制限の中ではご家族も食べる姿を見られず、食べる楽しみを一緒に感じられないとの思いが募っていたそうです。 自宅に帰れれば一緒に食べる喜びを分かち合えるかもしれないとのご希望も強く、病院からの丁寧な申し送りを受けご自宅に帰ってこられました。 訪問看護、療法士によるリハビリテーションを通し、全身状態を管理しつつ少しづつ食べるサポートをしてきました。 クリスマスには「ケーキを食べたい」とのご本人様の想いをご家族から教えてもらい、身体に、そして嚥下に無理がないようにと準備をして食べてもらう日がやってきました。 入院中には味わえないクリスマス、「退院3ヶ月の頑張った記念日」としてご家族が素敵なお洋服を準備くださり、またケアマネジャーさんからは花束のプレゼントを差し入れてもらっていました。 そして何より、ご本人様が大好きなご主人に食べさせてもらえたことで、今まで見たことのないおふたりの笑顔が見られ、「美味しい」の言葉を聞くことができ、その場に居合わせた全員が笑顔となりました。 自由に食べることは叶わないAさんですが、自宅だからこそ準備できる物を用意し、ご本人だけでなくご家族様の想いを乗せて「口から食べたい」を支えていきたいと訪問看護師、療法士一同、日々取り組んでいます。

2023/03/24 10:50

管理者ご挨拶

管理者ご挨拶 看護師として大学病院で循環器内科・腎臓内科・消化器内科病棟の勤務を経て、回復期リハビリテーション病棟で自宅復帰に向けてのリハビリテーション看護を経験してきました。そして訪問看護を始める直前までは緩和ケア病棟で勤務をしていました。緩和ケア病棟では「本当は家で最期を迎えたいけど怖い」という本人・家族の思いを共に抱えながらたくさんの方を病院で看取ってきました。これらの経験の中で、今度は在宅でサポートする側に立って少しでも利用者、家族様が安心して「その人らしく生きていく」ためのお手伝いがしたいと思うようになり訪問看護を始めました。病棟との違いに戸惑いながらも目の前の利用者、ご家族様と向き合ううちに「訪問に行くと元気になる自分」に気が付きました。それはなぜなのか、利用者様の「生きたい」想い、「生きようとする生命力」に日々触れていくうちに自分自身がパワーをもらっていることに気が付いたからでした。 当事業所では特に「最期まで口から食べるサポート」に力を入れています。経口摂取が困難でも本人の「食べたい」、家族の「食べさせてあげたい」との想いを受け、嚥下に負担のない綿菓子等の食事の選択、ミキサー食の方が食べたがっていたおにぎり作りの工夫など様々な課題を看護師、療法士、栄養士の多職種で検討してきました。希望がかなって食べられた時の利用者、ご家族様の笑顔が印象的で、その笑顔のために私自身が日々楽しみながら訪問をしています。 花見や墓参り、買い物など様々なご希望を聞とり、それを実現するためにはどうしたらいいのかを当事業所の療法士はじめ主治医、ケアマネジャーと意見交換をしながら毎日ケアしております。 これからも私たちは「いつでも、いつまでも、楽しく自分らしく生きて行く」を支えていきます。